ゲーム制作ガイド · ファミコン風BGM

ファミコン風BGMとは? 8bitの音色(矩形波・三角波・ノイズ)の特徴とゲームでの使い方

ピコピコとした電子音で、懐かしいゲームの雰囲気を感じさせる「ファミコン風BGM」。8bit音楽やチップチューンとも呼ばれ、ドット絵のゲームと組み合わせる定番の音楽です。この記事では、ファミコン風の音がなぜあの響きになるのかを、元になったファミコンの音源のしくみから説明し、ゲームで使うときのポイントをまとめます。当サイトの8bit・ファミコン風BGM(175曲)の中から、音色の違いがわかる曲も試聴できます。

ファミコン風BGM・8bit・チップチューンの違い

似た言葉がいくつかあるので、最初に整理しておきます。

厳密には意味が少しずつ違いますが、フリー素材を探すときにはほぼ同じ意味で使われています。当サイトでは「ファミコン風」を音色の分類として使っています(任天堂などの公式素材ではありません)。

ファミコンの音源は5つの音でできている

ファミコン本体の音源は、矩形波(パルス波)2つ、三角波1つ、ノイズ1つ、DPCM(サンプル再生)1つの、5つの音(チャンネル)で構成されています。同時に鳴らせるのは基本的にこの5音だけ。メロディ・伴奏・ベース・ドラムを、この中でやりくりして曲を作っていました。

チャンネル音の特徴よく使われる役割
矩形波(パルス波)1・2明るく芯のある音。波の幅で音色が変わるメロディ、ハーモニー、伴奏
三角波丸く柔らかい音。音量を変えられないベース、低い旋律、キック
ノイズザーッという雑音スネアやハイハットなどのドラム、効果音
DPCM短い録音データを再生ドラム、声などのサンプル

なお日本のファミコンでは、ディスクシステムや一部のカセットに音源が追加されていて、もっと多くの音を鳴らすソフトもありました。

矩形波(パルス波):波の幅で音色が変わる

矩形波は、高い状態と低い状態をカクカクと行き来する波です。ファミコンの矩形波では、1周期の中で高い状態が占める割合(デューティ比)を12.5%・25%・50%・75%の4種類から選べました。幅が狭いほど細く鋭い音に、50%に近いほど太く丸い音になります。75%は25%の波を上下反転させた形なので、聞こえ方は25%とほぼ同じです。

デューティ比12.5%・25%・50%の矩形波パルス 12.5%パルス 25%パルス 50%
1周期のうち「高い状態」が占める割合(デューティ比)の違い。幅が狭いほど細く鋭い音、50%に近いほど太く丸い音になります。

当サイトのファミコン風の曲でも、曲ごとにデューティ比を使い分けています。聴き比べると、同じ矩形波でも印象がかなり違うことがわかります。

三角波:ベースを支える丸い音

三角波は、なめらかに上下する丸く柔らかい音で、主にベースを担当しました。ファミコンの三角波チャンネルには音量を調整する機能がなく、鳴っているか止まっているかのどちらかです。そのため、強弱をつけにくいかわりに、いつも同じ太さで低音を支えてくれます。

音の高さを素早く下げてキックドラムのような音を作るのも、よく知られた使い方です。

三角波とノイズの波形三角波ノイズ
三角波はなめらかに上下する丸い音、ノイズは不規則に変化するザーッという音です(波形は模式図)。

ノイズ:ドラムと効果音を担当

ノイズは、ザーッという雑音を出すチャンネルです。音の高さ(周期)を変えるとスネアドラムやハイハットのような音になり、ドラムパートを担当しました。爆発や足音などの効果音にもよく使われます。

ファミコンのノイズには、ふつうの雑音に加えて、周期が短くなってブザーのように響くモードもあります。

少ない音で聴かせる工夫

同時に鳴らせる音が少ないファミコンの曲には、限られた音数で豊かに聴かせる工夫がたくさんあります。ファミコン風の曲を選ぶときや、自分で作るときのヒントになります。

当サイトのファミコン風の曲は、矩形波(パルス波)・三角波・ノイズを中心とした音色で作っています。使っている音色は、各曲ページの[楽器・音色]欄で確認できます。ただし、ファミコン本体の音を完全に再現したものとは限りません。

ゲームで使うときのポイント

グラフィックと時代感をそろえる

ファミコン風の曲は、ドット絵や低い解像度のグラフィックとよく合います。高精細な3Dのゲームに合わせると、音だけが浮いてしまうことがあります。あえて組み合わせる場合は、レトロな演出として意図が伝わるようにしましょう。

効果音もレトロな音にそろえる

BGMがファミコン風なら、決定音や攻撃音などの効果音も電子音系にそろえると、まとまりのある作品になります。

音量は少し控えめに

矩形波は耳によく通る音なので、長時間聴くと疲れやすいことがあります。効果音やセリフと重ねて、BGMの音量を少し下げておくのがおすすめです。

長く流す場面はループ版を

フィールドや戦闘のように同じ曲が続く場面では、ループ版を使うとつなぎ目で途切れにくくなります。どの場面にどんな曲が合うかはRPGに必要なBGMの種類と選び方で詳しく紹介しています。

注意:既存のゲーム音楽の「再現」は別物

「ファミコン風」は、あくまで音色や雰囲気のスタイルです。特定のゲームの曲をそのまま再現したり、アレンジしたりしたものを使うと、その曲の著作権の問題になります。当サイトの曲はすべてオリジナル曲で、任天堂などの公式素材ではありません。利用条件は利用規約をご確認ください。